花まつりに欠かせない、甘茶用の桶の痛みがいよいよ激しくなってまいりました。

当寺29世養山育祐大和尚のころのものでありますから、少なくとも明治から使用しているわけです。古いものこそ大切に残していきたいものですし、これ以上痛むのも忍びないことです。新しい桶を新添することといたしました。 お願いしたのは 檀家の遠藤政太郎さん。浅舞で桶づくりを続けられてきた桶製作所の3代目の方です。

天然の秋田杉以外はいっさい使用しないというこだわりや、また、その高い技術には定評があることから、地元の酒蔵やイベントで使用する大きな桶もてがけておられます。ご多忙のなか快く引き受けていただきました。時をおかずして、立派な桶が2つと、古い桶も面目を新たにして帰ってまいりました。 奉納という形をとりましたのは、天然秋田杉以外使わない遠藤さんにとってみれば、あと数年で桶を作るに足る天然秋田杉がなくなるであろうこと、そうすれば材料がないのに技だけを残しても意味がない。しかしお寺で残してもらえれば技も品も残るであろう、またそういう技術があった証にもなろうという遠藤さんの意思を尊重すべきだと考えたからです。

こういった一つ一つの品を大切に後世に残していくこともまた、お寺としてできる大切なお役目でありましょう。大切に使用させていただきます。遠藤さん、大変ありがとうございました。