各種作法留意点

威儀1

〇拂子
拂子の振り方は3通り
一振法  右手に持って前一振する
三振法  右に一振、左に一振、中央に一振
五振法  右に一振、左に一振、右に一振、左に一振、中央に一振
※滴禅会『龍華』P1173に『宗門では「瞿曇の螺髪宗門の払子」と口伝している。お釈迦様の頭髪を拂子という。そこで法威を振うために拂子をもつのであるから、拂子をもったら必ず法語をとなえなくてはならない』との記載あり。魔を払うためではないことも記載されている。また感応道交のためでもある。

〇笏 ※もともとは備忘のために備えたもの
常には表を表とし、礼拝の際に表裏を裏返し、立つときに元にもどす。なお下記のような説もある

上求菩提(本尊上供など)では表を自分にむける
下化衆生(在家回向)の時は表を外に向ける

〇法要において
原則として法語を唱える時は拂子をもつ
笏や如意をもった時は、法語を唱えても唱えなくともよい

南面行持:法語を唱える 拂子
北面行持:法語を唱えることもある 笏或いは拂子
※ただし北面行持は法孫としての立場からおつとめすることから、拂子の扱いには参究を要する。

威儀2

〇七条衣・九条衣(『温故知要』下巻参照)
七条衣 鬱多羅衣  入衆衣・修行衣。普段かけているお袈裟
九条衣 僧伽黎衣  九条より二十五条まである導師をつとめるときのお袈裟

〇帽子
臨済曹洞では「もうす」 真言天台では「ぼうし」
南面行持:外さない。被ったまま
北面行持:法要の流れにしたがって適宜、外す。

〇各種法要の衣(例:晋山結制)
入寺式          色衣  七条衣(縫いの袈裟まで)
配役行茶         色衣  七条衣(縫いの袈裟まで)     大衆への提唱がある
威儀については、後堂と合わせることにしてもよい
晋山式(行列)      色衣  七条衣(道中であるので)
晋山式(山門頭から)   色衣  七条衣(ここでお袈裟を変えることもある)
晋山開堂         色衣  九条衣(大衣)     説法がある
通例として転衣以上には拂子、首座・開口など未転衣には竹箆
法戦式          緋衣  九条衣(大衣)
檀越供養         緋衣  九条衣(金欄)

※その他の北面行持などでは、派手派手しくない、祖師に相対した時の意識で威儀を整える