当日10:30打ち出し(解説は10:00前より)
10:00五磬三拝
ご参集のみなさまにお知らせいたします。まもなく五磬三拝のお時間となります。
三回忌のご導師をおつとめいただきます御本寺 〇〇寺方丈さまが本堂にお参りし、三たびお拝をなさいます。皆さまお席におつきになり、お迎えください
(引き続き)
まもなく御本寺 〇〇寺大方丈さまがご到着なされます。
両班の和尚様 御準備をお願いいたします。
打ち出し前
ただいま開始の15分前です。お手洗いの用などがあるかたは今のうちにお済ませください。準備のよろしいかたは式場内の椅子にお掛けいただき静かにお待ちください。携帯電話などをお持ちのかたは、法要のあいだ音が出ないようにしてください。
入場案内(十分前)
来賓並びに当〇〇寺檀信徒の皆さま、ご親族の皆さま、御随喜のご寺院さまにご案内申し上げます。
当山〇〇世 中興○○○○大和尚 三回忌の法要が 間もなく開式でございます。どなた様も、本堂へ ご参集くださいますようお願いいたします。
なお、本日三回忌のご焼香ですが、全員が本堂の正面にお進みいただきましてのご焼香となります。案内にしたがいましてお進みくださるようお願いいたします。
当○○山○○寺○○世 中興○○○○大和尚さまの三回忌をお迎えするにあたり行われます法要は、出班焼香と申します。本堂の真ん中、大間の東と西にそれぞれお立ちになる、両班の和尚様方全員が前に出て焼香をいたします、非常に大きな法要でございます。
三会中配香
殿鐘が三通打ち鳴らされます。この間に、大間におそろいの和尚さま方にそれぞれお香が配られます。
七下鐘上殿
これより法要をおつとめいただきますのは 当寺御本寺○○寺大方丈さまでございます。ご導師が入堂なされます。皆さま、合掌にてお迎えください。
拝敷前合掌
おなおりください。
上香三拝
まずお香をお供えいたします。心身を清め、本堂を清らかにする、かぐわしいお香の香りに、仏さまは感応されこの道場に現れてくださるとされております。
※「お疲れを癒す…」「貴重な蜜いりの甘い…」「香りたかい炊き立ての…」などのお供えを上げる際の文言であるが、そもそもそれらをおあげすることについての解説ができていないので、伝供の最初にいれてみた。
(帰位から三拝中)「これよりさまざまなお供物をお供えいたします。ご導師様が地に額をつけ、どうぞおうけくださいと、くりかえしお拝をいたします。みなさまが、どうぞ受け取ってくださいませと頭をさげ地に額をつけながらお拝をするといたしましたら、どのようなお心でいたしますでしょうか。どうぞ幸せでありますように、どうぞ安らかでありますようにという願いがあってのことではないかと思います。上分三宝、中分四恩、下及六道、皆同供養。お釈迦様さま、あらゆるところの諸々の仏さま方、どうぞおうけください。私どもの世界に今いらして、またかつていらしたすべての皆さま、身近な大切な方でも見知らぬ他人であっても、どうか皆さまが共に安らかで幸せでありますように。そして、皆がそのようであるからこそ今は亡きあなたも幸せであることができますように。この功徳をもってあまねく一切に及ぼし、私どもと皆がともに仏の境地に達し安楽でありますように。お供物はこのような慈悲のこころにてお供えされます。まずご導師さまは、煮沸し清らかで安全な……」
湯食三拝
煮沸し清らかで安全な白湯、香りたかい炊き立てのご飯を差し上げます
嚫金菓三拝
尊い財物としてのお金、貴重な蜜いりの甘い蜜菓子をお供えします。(嚫金の嚫は施し、金はお金)
鼓一通
ここまでのお供えは「上分三宝」と申しまして、すべて○○大和尚さまからご本尊さまに献じられ、○○大和尚さまは仏さまのお下がりを頂戴しておりました。これからお供え申しますのは、「○○大和尚さま、どうぞ上分三宝せずに、十分におあがりくださいとお供えいたしますものであります。これを特為(どくい)茶、特為(どくい)礼と申しまして、太鼓はその合図であります。
焼香三拝
このお香は特に○○大和尚さまにとお供えいたします。
献茶三拝
○○大和尚さま、どうぞこのお茶だけはあなたおひとりでどうぞとお願いしてお供えいたします。
中揖三拝
お供え物が整いました。どうぞおあがりくださいとご挨拶なさいます。
鼓三下(三下了ってすぐ。拈香中に)
お茶をお供えし終わりましたという合図の太鼓がならされました。
拈香法語(法語了ってすぐ)
○○大和尚さまのお徳をたたえ、ご供養のお言葉をのべられました。
開班
これより東西にお揃いの和尚様みなさまがご焼香なさいます。
検炉
出班焼香
大衆九拝
大衆一同、報恩感謝の礼拝をいたします。御一同も合掌してお拝をいたしましょう。
閉班
読経(参同契・寶鏡三昧四本行道1匝)全員正面焼香(45名) 室中回し焼香
回向
普同三拝
謝拝
当○○寺堂頭○○師がご導師さまに三拝なさいます。
続いて、東側に向かってお拝をなさいます。東側の方は合掌しておこたえください。
続いて、西側に向かってお拝をなさいます。西側の方は合掌しておこたえください。
再びご導師様にお拝をなさいます。
謝辞(導師南面にて依曲彔)
ここで、当○○寺総代 ○○○○さま より一言、お礼の言葉がございます。
導師退堂
ご導師さま退堂でございます。皆さま、合掌にてお見送りください。
おなおりください。
引き続き 施食会 となります。
準備がすべて整いますまでしばらくお待ちください。御用をたされます方はどうぞ
お立ちください。
(なお、ご寺院さまには焼香いただきましたので、寺院焼香はございません。)
施食会
引き続き施食会となります。このお施食、食(食べ物)を施すとお書きいたします。
古くは お施餓鬼、餓鬼に施すと申しました。昔ながらの施餓鬼という言葉で法要を行っておられますのは、例えば、鎌倉の建長寺さま。建長寺さまでは、「梶原施餓鬼会」という法要を毎年7月15日に行っております。
この梶原とは、梶原景時のことです。大河ドラマの『鎌倉殿の13人』にも名前(中村獅童)がでておりました。
さて、建長寺さま落慶の年というのですから建長5年、1253年のことであります。建長寺落慶の法要が滞りなく進められ、その締めくくり、最後の施食会も無事に終了いたしまして、和尚様方がみなひきあげようとしておりました時、山門に、息せき切って駆け込んできた騎馬武者が一騎ございました。大急ぎでやってきたその武者は、周りを見回し、もう全ての法要が終わってしまったことをさとりますと、非常に後悔の色をあらわしがっくりと落胆して引き返そうとしました。その様子をごらんになられましたのが、ご住職である大覚禅師(蘭渓道隆)さま、その時代の名僧でございます。すぐに、傍らの僧にその武者を連れてこさせ、もう一度その武者のために施餓鬼会を執り行いました。そして問いかけたところ「わたくしは梶原景時の霊です。ただ今のありがたいご供養で長年の苦しみを脱することができました。」と喜び感謝して立ち去ったとのことです。梶原景時といえば、他人を陥れ、そのために命を失った者やお家を取り潰された御家人がどれほどいるかわからないといわれるほど権力を振るい人を苦しめ恨まれた人ですが、正治2年、西暦1200年に追放され命を奪われてしまいます。しかし、一度の施食会は、その死から50年以上も続く苦しみを、世間から悪人と言われ続ける心の苦しみをも救うことができた。そのことから、今に至るまで「梶原施餓鬼会」は続いているわけであります。
餓鬼といいますと地獄絵にあるような姿をつい思い浮かべますけれども、古の『弁惑指南』と申します施餓鬼の心得によれば「人の姿で生まれてきたとして、もし怒りを起こせばそれは地獄の炎となるし、ちょっとでも惜しむ心を起こしたとすれば、それは餓鬼の飢えとなる。しかるに、もし自利し他を利するの心がおこれば即ち菩薩となる」とあり、自らの心に苦しむ者を餓鬼と言い、それを救うのだとあります。
本日、当○○寺におきましても、七つの願いのもと、施食会をおこなっております。
一つには、餓鬼の飢えの心、地獄の怒りの心が救われますようにという願い。
二つには、この世界、全ての人が、施しによって満たされますように。
三つには、人の苦しみを救いたいという菩薩の心が、みんなに目覚めますように。
四つには、餓鬼や地獄の苦しみも、仏の安心へと変わりますように。
そして、これらの功徳がぐるりと世界を廻り、生きとし生けるあらゆる命に届いて、みなが幸せでありますように、みなの心が仏の心となりますように。
このような願いの下に行われる施食には大変な功徳があり、たとえ餓鬼の姿であっても、施食会が終わる時にはふくよかな姿になって天に帰るといわれております。どうか、参列のみなさまにおかれましても、施しの心をもって餓鬼のこころをお救いし、その功徳がわが先祖にも及ぶよう、ともに幸せであるよう願いをこめてご焼香いただきたいと思います。
間もなく、お施食のお時間でございます。
殿鐘三会
七下鐘上殿
これより檀信徒総供養の法要をおつとめいただきますのは、当山○○寺方丈さまで
ございます。御導師さまが入堂されます。皆さま、合掌にてお迎えください。
鼓鈸三通
拈香法語
当山檀信徒各家先祖代々の諸精霊に、真心からのご供養のお言葉をのべられます。
読経
大悲心陀羅尼
甘露門(普回向なし)
修証義 行持報恩(四本行道) 焼香廻し香炉
回向(読み込みあり)
鼓鈸三通
堂頭謝辞
ここで当寺住職より、皆様にご挨拶をもうしあげます。
散堂
ご導師退堂です。皆さま合掌にてお見送りください。
以上をもちまして、本日の法要はすべて無事円成いたしました。長い時間のご参列まことにありがとうございました。
これよりお斎となります。
本日のお斎ですが、御随喜のご寺院さまには、当山庫院にてご用意いたしております。また、本日ご参集のお檀家の皆さまの会場は当○○寺客殿となります。どうぞご準備の整いました方からご移動ください。
また、これより○○大和尚さまのお墓参りをいたしますが、住職・親族による墓参となります。その際、檀信徒の皆さまにもできる限りご焼香いただきたく存じますので、ご参列よろしくお願い申し上げます。
S.S