〇〇寺晋山結制法要①
五磬三拝
ご参集のみなさまにお知らせいたします。まもなく五磬三拝のお時間となります。西堂、永平寺御専使、總持寺御専使 というお役をそれぞれおつとめいただきます方丈様方が、本堂にお参りし、三たびお拝をなさいます。皆さまお席におつきになり、お迎えください
はじめに 西堂をおつとめいただきます 御本寺 〇〇市〇〇 〇〇寺 大方丈さまがご到着なされます。
続きまして 永平寺御専使をおつとめいただきます 〇〇市 〇〇寺 大方丈さまがご到着なされます。
続きまして 總持寺御専使をおつとめいただきます 〇〇市 〇〇寺 大方丈さまがご到着なされます。
打ち出し前
間もなく、本堂にて 首座入寺式 が執り行われます。檀信徒ならびにご親族の皆さまは 本堂 にご参集いただきますよう ご案内申し上げます。
曹洞宗には、夏と冬、それぞれ90日間、道場の外に出ることのない禁足などの厳しい規則を守って修行する「安居」という期間があります。「結制」とは、この安居修行に入ることをいいます。
首座入寺式 とは 結制安居を修行するにあたり、修行僧の筆頭、第一座である「首座」というお役、住職の隣に坐りその補佐をしながら修行する和尚さんを任命する儀式です。
なお、本日は 首座入寺式 に続き 土地堂念誦、配役本則行茶 という行持がございます。詳細はその都度お知らせいたしますが、いずれも大切な行持であります。どうぞ、あらかじめ御用を足されますよう、また携帯電話の音のご確認をしていただきますようご案内申し上げます。
僧堂鐘一会
まもなく、法要開始の鐘が打ち鳴らされます。
七下鐘住持入堂
新命方丈が入堂いたします。皆さまには合掌にてお迎えいただきます。
おなおりください。
版三下
これより知客と呼ばれるお役の和尚様に先導されて、〇〇上座が入堂いたします。
維那巡堂
維那というお役の和尚様が新命方丈に合掌低頭いたしまして、方丈の命を請け首座を任命するお役をお引き受けになられました。続いてご臨席の和尚様方へのご挨拶、また点検のために堂内を一巡されます。
維那白槌
維那和尚様は 〇〇上座を首座に任ずる旨をご報告されます。御一同には合掌いただきます。
おなおりください。
知事致語
知事と呼ばれるお役の和尚様方が〇〇上座の前に行き向かい合ってお拝をいたします。これはあなたには首座をお引き受けになる力量がございます、どうぞお引き受けくださいと勧請するお拝です。それに対して〇〇上座はこのように推挙されまことに畏れ多いことですとお応えになります。さらに知事の和尚様方は、あなたにはそれだけの才がございます。おめでたいことですと述べられました。
首座致語
次いで〇〇上座は知客和尚様に先導され、まず文殊菩薩さまに焼香礼拝なさいます。礼拝おわり、新命方丈の前へと案内されますと、「入りたての未熟者でありますのに恐れ多いことです」と謙譲の言葉を述べられます。また「尊候起居万福、どうか日々の生活すべてがよいものであられますように」と、新命方丈が禅僧として真実の生き方をされておりますことに対して尊敬と祈りの言葉を述べられ、お拝をなさいました。
首座就位
続いて、〇〇上座は知客和尚様に先導されて堂内を巡り、お役の和尚様方、大衆にあいさつをいたします。しかる後、首座としての位置におたちになります。
維那告報
維那和尚様は 〇〇上座が首座に就任した旨をご報告されます。御一同には合掌いただきます。
おなおりください。
普同三拝
これよりお拝となります。ご参集の皆様方も合掌して三度のお拝をいたしましょう。
散堂
新命方丈が退堂いたします。合掌にてお見送りいただきます。
おなおりください。これにて 首座入寺式 は無事円成いたしました。
引き続き 土地堂念誦 となります。準備が整いますまで今しばらくお待ちください。
土地堂念誦
次の行持は 土地堂念誦 と申します。
お寺の本堂の東うしろ側に「大権修理菩薩」さまがお祀りされております。伽藍境内をお守りくださる神様であり、その他にも沢山の守護の神々がおられます。そうした「土地御伽藍神」に、この結制安居期間の修行が無事に成就することを祈念いたします。
版三下
山内のそれぞれの神様にお参りいたします準備が整いました。その合図である版がまもなく打ち鳴らされます。
行香
新命方丈はそれぞれの神々の神前を巡り、焼香して、いただきましたご加護への謝意と今後の擁護を願います。
上香献茶湯(置き)神前に蜜湯とお茶をお供えいたします。
出班焼香
これよりは出班焼香と申しまして、導師のみならず、東西に立っておられる両班と呼ばれる和尚様方全員が焼香礼拝する極めて丁寧に礼を尽くしたご焼香です。
維那和尚様は香炉を点検し、導師、両班の和尚様方に順次焼香をしてくださいますようお願いをしてまいります。
(土地堂念誦の出班焼香は通常の出班焼香と違い、両班の知事・頭首の和尚様方が住職に向かい借香問訊、謝香問訊というお拝をいたします)
念誦
維那和尚様が祈りの言葉を述べられます。御一同には合掌いただきます。
(十佛名了って)おなおりください。
回向
散堂
新命方丈が退堂いたします。合掌にてお見送りいただきます。
おなおりください。
これにて 土地堂念誦 は終了いたしました。
引き続き 配役本則行茶 となります。準備が整いますまでしばらくお待ちください。御用をたされます方はどうぞお立ちください。
合間に
さて、次の本則行茶は茶礼(されい)ですので お茶とお菓子 が配られます。
最初に中にお菓子が入った茶碗が配られますが、お菓子を出してそのままお待ちください。しばらくしますと薬缶をもった和尚さんが注ぎにきますので、その時に茶碗をだしてお茶を頂いてください。ケンと音が鳴り、それを合図にいただきますので、それまで飲まずにお待ちになってください。
再進と申しますお代りが回ってきますが、いらないときは右手の手のひらを上にして少し上に挙げていただくと「いりません」の合図になります。
飲み終わりましたら、再び係りの和尚様が茶碗を回収に来ますので、そのときにお返しください。中にあったお菓子を食べきれないときは、どうぞお持ち帰りになってください。
配役・本則行茶
茶鼓一通
まもなく茶礼の準備が整いましたよという太鼓が鳴らされます。
大衆入堂
知らせを受けて、お役の和尚様方が入堂されます。
住持入堂
制中配役
これより新命方丈にかわりまして、その後見役である西堂というお役をおつとめいただきます 御本寺 〇〇寺大方丈さま より、晋山・結制を円成するための様々なお役が ご臨席の和尚様方に伝達されます。
大衆請拝
「どうぞご随喜ご加担を賜りますように」と、お集りいただきました和尚さま方にお願いをし、また「謹んでお役をお引き請けいたします」とそれぞれ向かい合ってお拝をいたします。
住持告報
ただいま新命方丈は明日の問答の座を首座の〇〇上座に分かち、問答のテーマである本則を明らかにされ「例:地蔵種田」の疑義について問答をするよう命ぜられました。
首座請拝
首座和尚は新命方丈の命をうけ、承知いたしましたとお拝をいたします。つづいて本則を捧げ、どうぞこの本則の要点・核心についてお示しくださいますようにと提唱を乞います。
本則提唱
新命方丈は提唱を代わりに行ってくださるよう西堂老師にお願いされました。これより西堂老師から提唱と申しますお説法がございます。
行茶
茶礼となります。曹洞宗では同じ薬缶のお茶を全員で分ち、心をひとつにしてお茶を頂く総茶礼を大切にいたします。どうぞ皆さまともにこの結制修行の円満成就を願いお茶を頂きたいと思います。
鼓三下
茶礼の終わりを告げる太鼓が打ち鳴らされました。
散堂
新命方丈、西堂老師、後堂老師が退堂いたします。続いてお役の和尚様方がお堂を出ていかれます。これにて 本則行茶 は終了いたしました。
これより祝麺となります。
会場の 〇〇 にご移動の方はバスが〇台出ておりますのでご利用ください。なお、帰りのバスはそのままお宿まで直行いたしますので、お荷物等必要なものがございましたらお持ちになられますようお願いいたします。
どうぞ速やかにご移動いただけますようお願い申し上げます。
祝麺
祝麺に先立ちまして当方から連絡事項をお伝えいたします。
はじめに今晩ご宿泊の皆様にお伝え申し上げます。
この後、お宿までの送迎バスは〇〇時〇〇分からご準備いたしております。
明日のご朝食は 朝〇時〇〇分からお召し上がりいただけます。お宿からお寺までの送迎バスは朝〇〇に出発いたしますのでご利用ください。
繰り返してお伝えいたします。
(繰り返し)
皆さま、ご準備が整いましたようでございますので、これより祝麺にうつりたいと存じます。
はじめに新命より挨拶を申し上げます。
続きまして、当山〇〇寺 総代長の 〇〇〇〇さまよりご挨拶をいただきます。
それでは乾杯の音頭を、西堂をおつとめいただきます、御本寺 〇〇寺さまにおとりいただきたいと存じます。皆さまグラスのご用意をお願いいたします。
〇〇寺晋山結制法要②
本日、ご当山におかれましては「晋山結制」という大変におめでたい法要がおこなわれます。ただ「晋山結制」と申しましただけでは、どういう儀式でありますのか、よくご存じないことと存じますので、これから、その都度、ご説明して参りたいと存じます。
まず、晋山とは、このお寺に住職として入りますという意味のことばです。「山に晋む」と書きますが、「山」とはお寺のことです。お寺にはそれぞれ「山号」というものがあり、当〇〇寺の山号は「〇〇山」です。
晋山式とは、住職となって、この〇〇寺を信仰と修行の道場となすことを宣言するものです。それによって、供養をおこない檀家各家の安寧を祈ります。また、〇〇寺に現前されましたご本尊様、仏法を受け継ぎ伝えてくださった歴代住職、当寺護持の先達への報恩の意味もあります。
晋山結制の儀式は住職・檀家一体となっておこなうものです。
檀家各家のみなさまがたにおきましては、あらためて仏縁と法縁を結んでいただく大きな機会となるものです。
新命住職の 〇〇さんは 〇〇年、当山〇〇寺に先住〇〇〇〇大和尚さまのもとに生をうけられました。〇〇〇〇の時に出家得度いたしましてからは常に師匠である御父上のご指導のもと、僧侶としての研鑽を積まれ、二度のご出世をしてこられました。
曹洞宗で申します所の出世とは、第一に首座をおつとめになりますことで、座元という位にお進みになります。
第二に仏法をうけつぎ、永平寺・總持寺両大本山に拝登し高祖道元禅師、太祖瑩山禅師にお参りして一夜住職として朝のお勤めをいたしますことです。これより和尚と呼ばれるようになります。
〇〇年に〇〇〇〇を卒業されますとすぐに〇〇寺に安居修行なされております。〇〇年の〇月、お師匠であります〇〇〇〇大和尚さまの晋山結制におきまして首座をおつとめになられました。第一の出世です。〇〇年、師から弟子へと仏法を伝える伝法を受けられました。第二の出世であります。〇〇年に副住職となられてからは山門の隆盛、お檀家さんのご供養にと、お師匠様の片腕となり力を尽くしてまいりました。〇〇〇〇年、ご当山〇〇寺のご住職となられ、今日、第三の出世であります結制修行をおこなわれます。
これを建法幢と申しまして、修行僧を指導し、仏法の旗印をたて、大和尚の位にお進みになられます。従いまして、本日は 新命方丈が大和尚となり、首座〇〇上座が座元となられます大変おめでたい日であります。
心よりお祝い申し上げたいと存じます。
またお祝いの祝電をいただいておりますのでご披露申し上げたいと存じます。
- 大本山永平寺
- 大本山總持寺
- 曹洞宗〇〇県宗務所
- 曹洞宗〇〇県〇教区
さて、時刻は 〇時〇分 になりました。ただいま新命住職と侍者の和尚様方が、安下処と称されるお家を出発いたしところでございます。安下処と申しますのは、拝請されてきた新命が旅装を解き、住職としての衣を着する場所であります。このたびは〇〇〇〇の〇〇様のお宅にお願いいたしました。
時刻は 〇時〇分となりました。
ここからお寺までを案内され行列が出発いたしました。地元のお子様方にお稚児さんとなっていただき、山門にいたるまでの道を古式にのっとり、五色の彩幡、大傘などに飾られて厳かに、堂々と行進をしてまいります
さて、次のご休憩まで約一時間ございます。
お手洗いの用などがあるかたは今のうちにお済ませください。準備のよろしいかたは式場内の椅子にお掛けいただき静かにお待ちください。
携帯電話などをお持ちのかたは、法要のあいだ音が出ないようにしてください。
行列が山門に到着いたしました。ただいま、山門頭では、一緒に行列してくださった手鏧、それから知殿、知事・頭首両班といったお役の和尚様方が新命住職をお迎えしております。
これより新命住職が入寺するにあたり、機が熟し門が開き、檀家のみなさま、当山鎮守の神々が自分を迎え入れてくださることに対して、この山門をくぐる事への見識をお唱えになります。。
新命住職が 仏殿 へ歩みを進めますと、ご本尊様の御前に参ずるまで、堂内の太鼓が力強く打ち続けられます。これを 大擂 と称し、これより禅問答や提唱などがあることを意味する鳴らしものです。
太鼓の音がなりましたら、御一同、合掌にてお迎えください。
大擂
おなおりください。
晋山式
曹洞宗〇〇県宗務所長老師 より管長さまからの辞令の伝達をうけます。これによりご本尊様・檀家の皆様の前で、新命が住職として正式に受け入れられましたことが宣言されました。
これより新命住職は〇〇寺住職として新任の挨拶をなされます。
今当山のご本尊様と相まみえ、あなたさまに成り代わりまして法を説いてゆきますよという、そのこころの内を表します。
続いて、新命住職は本堂東側の大権修利菩薩さまの神前にすすみ、大権修利菩薩さまをはじめとする護法の土地護伽藍神に対し、これまでの護法への感謝とこれよりのちも同様に守護してくださるよう願いの言葉を述べられます。
本堂の西側には達磨大師の祖師堂がございます。香を献じその徳をたたえ、当寺に住職たるのこころを表します。
当寺を開かれた御開山様へご挨拶と、あなた様が開かれましたこの山門にて法を継ぎ法を伝えてまいりますというこころの内を表します。
新命住職はいったん退堂して方丈へと案内されます。新たな住職としてのご挨拶と報告は、これにてすべて行われました。
皆さま合掌にてお見送りください。
おなおりください。
以上をもちまして、晋山式を無事円成とさせていただきます。
晋山開堂
次に行われます 晋山開堂 では新命住職は本堂の法座に上ります。ここで説法することを上堂と申し、この座に立って問答をいたします。まずは今日ここに立てることへの感謝のまことを捧げます。また白槌師から自己の力量を証明されることによって、新命住職として仏法をひろめ衆生を教化するための見識を披露いたします。
巡版三下➝上堂鼓三下
上堂の準備が整いましたよという合図が鳴らされました。
知らせを受けて、お役の和尚様方が入堂されます。
侍者と呼ばれる和尚様が、上堂にあたり須弥壇の点検をいたします。
まず首座和尚をはじめとする西側の和尚様方が、まだ誰もいない須弥壇上に向かい合掌低頭をいたします。
続いて、知事と呼ばれる東側の和尚様方が、同じように、まだ誰もいない須弥壇上に向かい合掌低頭をいたします。
これを 空座問訊 といい、新命住職の説法を心待ちにしておりますよという気持ちをあらわすものです。
空座問訊が終わりますと、侍者の和尚様は住職を迎えに方丈の間へ向かいます。まもなく大擂にて新命住職が上殿してまいります。太鼓の音が鳴りましたら、皆さま合掌にてお迎えください。
おなおりください。
下語(あぎょ)
新命住職は、これより説法の座としていっとき須弥壇に上りますよ(上堂)とお唱えいたします。
これより新命住職は須弥壇上にて四回香をたきます。
まずお釈迦様、仏法を伝え広めてくださった両祖、祖師方に感謝のお香をたき、「国土安穏 万邦和楽 群生康寧 至徳千祥」を祈念いたします。(一仏両祖祝祷香)
次に 当寺御開山さまはじめ当寺歴住諸大和尚様方に感謝のお香をたきます。(開山歴住報恩香)
続いて、開山以来当寺を護持し支えてこられた、開基・壇越の累代への供養とこの後の「家門繁栄 災障消除 諸縁吉祥」なることを祈念してお香をたきます。(檀越香)
最後に、ご本師さま 〇〇〇〇大和尚さまの恩に酬いるために香をたきます。これをたくのは、一生に一度きりです。(継承香)
新命住職は感謝と祈念の香をたきおわりました。
五人の侍者と呼ばれる和尚様方がそろって問訊、合掌低頭いたします。
次に西側に立つ和尚様方がそろって合掌低頭いたします。
続いて東側に立たれます和尚様方がそろって合掌低頭いたします。
そして焼香侍者とよばれる和尚様とともに和尚様方がみな新命住職に向かって問訊致します(代衆請法)。
大衆の全員が、さぁあなたの力量をみせてください、あなたの見識を示してくださいと一斉に合掌低頭なさいました。
白槌師というお役もお引き受けくださいました。 御本寺、〇〇寺大方丈様は槌を一度打ち「この法の集まりにこられた龍や象のように優れた方々、この問答で仏法のギリギリ肝心のところをつかんでください」と励声にお唱えくださいます。
(着座磬子までに)
新命住職は、さぁ法問に来たれと促す言葉をお唱えになります。大問答がはじまります。
問答
大問答は、古式にのっとりおこなわれ、新命住職の人柄が感じられるものでありました。この大問答を通して、一人の僧侶として和尚から大和尚への大きな足掛かりを得たといえる、そのような大問答として終了なされました。大変大きな一歩であります。
。
ここで、新命住職は提綱と申します、曹洞宗の教えの要点をふまえながら只今の問答についての所感の言葉を述べられます。
ついで、自序と申しまして、非才でありながらも法を説いたと自ら謙遜する気持ちを述べられます。
さらに謝語と申します、西堂老師や両本山御専使様はじめ、諸山の尊宿、遠近さまざまのご寺院の皆々様等に、随喜加担への感謝を述べられます。
最後に古のすぐれた言葉についてお示しになり、本日の大問答の結びとされます。
(起立磬子)
白槌師様が再び槌をうち「真理であるお釈迦様の法をよくつかんでください。お釈迦様の法はこのようなものであります」とお唱えしてこの問答を証明してくださいました。新命住職が大和尚たる力量をお持ちであることをお認くださいました。まさに文殊菩薩のお役目であります。
問答がおわり、新命住職は白槌師さま、本山両御専使さま、宗務所長さま尊宿とよばれます和尚様方に感謝のお拝をいたします。
最後に、本日随喜の和尚様方、お檀家のみなさまに感謝の気持ちを込めて、拄杖をぐるり一回転させました。すりこぎを回すようなのでそのまますりこぎ問訊と称します。
新命住職が退堂いたします。皆さま合掌にてお見送りください。
これにて晋山開堂の行持は無事円成いたしました。
引き続き 首座法戦式 となります。準備が整いますまでしばらくお待ちください。御用をたされます方はどうぞお立ちください。
法戦式
首座とは修行僧の筆頭の意味であり、住職の隣にあって補佐の任をつとめながら修行することから、そう称されます。
そのかみ、霊鷲山においてお釈迦様が説法をなされている時に、その座を半分大迦葉尊者に分かたれました。人天に説法するにふさわしい人物であると認められたのです。この故事(『雑阿含経』巻十一)をふまえ、さらに『正法眼蔵』仏性の巻に「入室瀉瓶の衆たとひおほしといへども、提婆と斉肩ならざるべし。提婆は半座の尊なり、衆会の導師なり、全座の分座なり。正法眼蔵無上大法を正伝せること、霊山に摩訶迦葉尊者の座元なりしがごとし」とありますように、まさに半座を分かち、説法をまかせるぞという大問答がおこなわれるのです。
まもなく、法要の準備が整いましたという合図の木版が打ち鳴らされます。
殿鐘三会目
(西堂老師、両大本山御専使、尊宿の和尚様方が入堂されます。合掌でお迎えください。おなおりください)
一度、大間内にお揃いになりました東西それぞれのお役の和尚様方が一斉に法堂を出ていかれます。これを「上方丈」といい、新命住職のもとにお願いし、お迎えにあがるのです。
力強く太鼓が打ち鳴らされます。これより大問答がはじまりますよと知らせる鳴らしもので、大擂と称します。それぞれのお役の和尚様方・新命住職が入堂いたします。皆さま合掌にてお迎えください。
おなおりください。
ただいま〇〇県宗務所長老師より、この結制が法に適ったものになるべく努めるよう、管長猊下より、修行の心得・戒めを説いた掟をご宣読いただきました。
さらに、その資格を得たことを認め赤色の衣の被着を許可する許状を読み上げていただきました。
続いて、当山の総代長であります 〇〇〇〇さまより、記念の衣の贈呈がございます。
おめでとうございます。
(このとき上香三拝伝供は置きのため略)
これより法戦式を修行するにあたり、ご本尊様に三拝をいたします(普同三拝)。御一同には合掌して三度お拝いただきます。
ただいま、首座和尚が朗声にお唱えいたしましたのは、従容録という本の第十二則「例:地蔵種田」という、地蔵和尚と彼を訪問した脩山主という二人の問答についてのお話であります。
続いて、頌と申しますところをお唱えいただきました方は弁事、または問答の一番手でありますことから開口と呼ばれますお役目です。本日弁事をおつとめいただきますのは、〇〇寺徒弟 〇〇〇〇さんです。〇〇さんは現在〇〇〇の〇年生。〇〇の頃から、衣をきてはお父様、おじいさまについてお勤めをいたしておりました。将来は〇〇寺のために学びたいとの明確な目標をお持ちであります。
ただいま首座和尚は新命住職へお拝をいたしております。これを請勘辯拝と申しまして、どうかわたくしの問答修行を見極め力量を点検してくださいますようにというお願いのお拝です。
続けて、東側の皆様に同様にお拝をいたします。東側の皆様には合掌にてお受けいただきます。おなおりください。
次に、西側の皆様に同様にお拝をいたします。西側の皆様には合掌にてお受けいただきます。おなおりください。
これより首座和尚は、結制修行において重要な役割をおつとめいただきます和尚様方にお願いのお拝をして回られます。
まずは西堂というお役をおつとめの和尚様にお願いのお拝をなさいます。続いて、大本山永平寺御専使さま、曹洞宗〇〇県宗務所長老師、高徳の和尚様方に同様にお願いのお拝をなさいます。
続いて、大本山總持寺御専使さま、曹洞宗〇〇県宗務所第〇教区長さま、並びに重責の和尚様方に同様にお願いのお拝をなさいます。
最後に首座和尚のお師匠でありますご本師さまにも、同様にお願いのお拝をしてまいります。御本師さまは〇〇市 〇〇寺方丈さまであります。
首座をおつとめいただく 〇〇〇〇さん は〇〇市〇〇のご出身で〇〇〇〇をご卒業ののち、〇〇市で〇〇として〇〇年間お勤めになられました。〇〇年、〇〇市 〇〇寺さまにおいて出家得度、〇〇年に〇〇寺に上山しご修行なさいました。ご縁がございまして、本日、首座の大役をおつとめいただいております。
拈竹箆
首座和尚は新命住職から、竹箆と申します竹の杖をうけとります。この竹箆を受け取ってどうするのかと問われますと、それぞれに応じてなんとでもと答え受け取ります。そして大衆に問答商量を促す拈竹箆の語を唱え法問が始まります。
法問
法問が了り、首座和尚は感謝の言葉を述べられました。自ら謙譲し「命とはいえ、わたくしのようなものが首座の位につきお聞き苦しい答えをお聞かせいたしました。どうぞ清らかな水で耳を清めてくださいませ」と拝謝いたしました。
首座謝拝
首座和尚は竹箆を新命住職に返します。この時新命住職は「也太奇。也太奇」と声をかけました。大凡そ、よくやった、素晴らしかったという意味です。このあと、わたくしの力量を点検してくださいとお願いをいたしました新命住職にお礼のお拝をいたします。
続けて、東側の皆様に同様にお拝をいたします。東側の皆様には合掌にてお受けいただきます。おなおりください。
次に、西側の皆様に同様にお拝をいたします。西側の皆様には合掌にてお受けいただきます。おなおりください。
これより首座和尚は、西堂老師、両大本山御専使さま、宗務所長老師、尊宿の和尚様方、ご本師さまにも、同様にお礼のお拝をしてまいります
これより、維那和尚さまが「乞処作麼生」と挙する声につづいてお役の和尚様方、ご本師さま、新命住職からそれぞれお祝いの言葉をいただきます。
ご本尊さまに三拝いたします。御一同には合掌して三度礼拝いただきます。
法戦式の修行も無事におわりました。維那和尚さまの「祝拝これにて」と挙する声にあわせてお拝をし、お祝いを述べられます。
祝辞
ここでご祝辞を頂戴いたします。
はじめに大本山永平寺御専使さま
つづきまして大本山總持寺御専使さま
引き続きまして曹洞宗〇〇県宗務所長老師
引き続きまして曹洞宗〇〇県宗務所第〇教区長老師
引き続きまして〇〇寺檀信徒総代長 〇〇〇〇さま
ご導師様退堂でございます。みなさま合掌にてお見送りください。
これにて 法戦式 は終了いたしました。
引き続き 檀越供養 となります。檀信徒のみなさまには、準備が整いますまで今しばらくお待ちください。御用をたされます方は、この間にどうぞお立ちください。
檀越供養
七下鐘上殿
これより檀信徒総供養の法要をおつとめいただきますのは、当山〇〇寺方丈さまでございます。御導師さまが入堂されます。皆さま、合掌にてお迎えください。
拝敷前合掌
おなおりください。
拈香法語
当山檀信徒各家先祖代々の諸精霊に、真心からの、ご供養のお言葉をのべられます。
献供
ただいま御本尊様の前にお供えいたしておりますものは、住職から檀信徒の皆様への記念のお品でございます。
経呪読誦(行道二匝)
回向
(略三宝終わり次第)
感謝状授与
この度の晋山結制修行にあたり、特に多大のご協力をいただきました
〇〇〇〇さまに記念品をそえまして感謝状をお渡しいたしたいと存じます。〇〇〇〇様どうぞおすすみください。
ここで新命住職より、皆様にご挨拶をもうしあげます。
散堂
ご導師退堂です。皆さま合掌にてお見送りください。
以上をもちまして、本日の法要はすべて無事円成いたしました。長い時間のご参列まことにありがとうございました。
ご指導、ご随喜いただきましたご寺院様はじめお檀家の皆様方、無事行持をつとめあげることができましたことに深く感謝申し上げます。
これより記念写真の撮影をいたします。随喜のご寺院様、ご寺族様、当山総代・役員のみなさまどうぞご準備くださいますようお願いいたします。
順番
祝斎
なお、ご寺院さまのお斎につきましては、それぞれ各寮にてご準備申し上げております。ご了承くださいますようお願い申し上げます。
各寮飯台