一年を振り返って

今年一年、わたくしにとってはなかなか忙しく心身に余裕のない年でありました。もともと一つのことに集中すると周りが見えなくなるし、同時に幾つもの仕事を抱えてしまうと、そのどちらもダメにしてしまうタイプなのですが、「そういう性格だから仕方ないよね」といって済ませるわけには当然いきません。世間的にはストレス?とでもいうのでしょうか。まぁ、それが一度にのしかかってきちゃったなぁという一年でした。ストレス?というのもちょっと違いますね。手に余ることというのがより正しい表現のような気がします。

まずは永平寺への団参です。はじめに計画をたててから数年。人数の都合で中止、コロナに遭って中止、用心のためやっぱり中止、となっていたものを、このままではいつになるかわからないということで急ピッチで決行いたしましたものです。4月の5日から7日までの行程。永平寺では朝のお勤めに随喜し供養の焼香もさせていただき、参加された檀家さん方も喜んでくださったようでまずは一安心。以前より予定されていた方で都合が合わなかった皆様にも、是非、次回以降参加いただければと希望するものです。

また、例年、感恩講保育園のみなさんが花祭りでお寺にお越しくださいますが、さらに今年は、浅舞小学校や平鹿中学校のみなさんが、授業の一環として地元の企業や史跡などを歩く見学先のひとつに龍泉寺を選択し訪れてくださいました。子供たちや生徒さんたちのまっすぐな質問というものが大変ありがたいものでした。

本年は、大本山總持寺太祖瑩山禅師700回大遠忌にあたり予修法要が行われるとのことで、6月と11月の二度、法要に参加する準備に追われました。わたくし個人としましては、物覚えがよろしくないうえそれでいてすぐに大切なことを忘れるということで、複雑で大規模な法要はたいそう苦手なのです。が、しかし。曹洞宗の一僧侶として、やれといわれればやらないというわけにもいきませんのでなんとか無理をして参加させていただきました。終わったあと、しばらくは誰とも顔をあわせたくないくらいの心境でした。お役の荷が勝ちすぎてわたくしの心臓と胃には聊かきつかったようです。とはいえ、念のため書きますがこれは比喩です。本当に心臓や胃になにかがあったわけではありません。

重福寺様先住忌の翌日、7月14日には、特派布教師さまがいらしての布教会でした。教区の護持会の皆様と龍泉寺の檀家さんたちが集まり、熱心に勉強いたします。随所に感銘をうけるお話がございましたので、自分が話す際、その感じ方や考え方をも取り入れさせていただこうと思いました次第。
 そういえば昨年(令和4年)もこの時期は忙しかったのでした。7月1日、浅舞婦人会46名の皆様がお寺を訪れてくださり、涅槃図のお話や法話、椅子坐禅、写仏、茶話会などでなかなかに賑やかで楽しかったことをふと思い出しました。檀家に限らずの参加ということもあり「なかなか入ることのない地元のお寺」に興味津々の方も大勢いらして、それも大いに刺激になったものでした。写仏の時間に書きあがらなかった方や、二枚目が欲しいという方がその後もお寺にきてくださったり、昨年も今年も、実りの多い7月でありました。

年間を通してなにかと行事や集まりが多く、ひとつのことに忙殺されてしまうわたくしにはなかなか厳しいものでした。しかしながら、小人閑居して不善をなすと古人の言もありますし、そのように考えればかえって良い一年であったとも言えます。最後の最後、大晦日のこんな時間にようやく仕上がりました。皆様よいお年をお迎えくださいますよう。

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