夜のストレンジャー

時計の針も0時を回り、日付も17日に変わった深夜のこと。
携帯に一通の通知が届きました。本堂前の防犯カメラに何かが反応したという通知です。他のカメラは完全に屋外ですが、雪囲いで本堂前だけは半屋外空間となっているため、確認しないわけにはいきません。

カメラを起動しますと、あら、可愛らしいお客さんです。
そこに映っていたのはタヌキの家族でした。しばらくウロウロとしておりましたが、食べ物でも探していたのでしょうか、希望をかなえるものはかったらしく、やがて出ていってしまいました。

こんな寒い夜ですから雨風をしのげる場所を求めてきたのか、あるいは食べ物を求めてきたのか、それはわかりませんが、悪さをするのでなければ、そこでゆっくりしていても何も差支えはないのです。それに、タヌキは夜行性とのこと。こんな深夜にくるということは人を避けてのことでしょうから、今後また見かけるようなことがありましたら、知らない振りをしようと思っております。
 
寺族さんがカメラをみてしきりに可愛い可愛いと喜んでおりましたので、またいつかきてくれたら嬉しく思います。邪魔にならぬよう、静かに見守りたいと思います。